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動物画家「山口華楊展」

動物画家「山口華楊展」
SOMPO美術館「山口華楊展」

※単に綺麗なものを眺めることが好きなだけな個人の感想です。

7月19日に、SOMPO美術館で開催されている「山口華楊展」に行ってきました。

山口華楊(1899-1984)は京都で活躍した日本画家であり、動物画や花鳥画でよく知られています。途中で作品の入れ替えを行いながら7月11日(土)〜8月30日(日)の間、東京では27年ぶりとなる回顧展がSOMPO美術館で開館50周年記念として行われています。

今回見てきた作品は、4章に分かれて展示されていました。撮影禁止なので写真はありませんが、作品を見てきた感想を紹介します。興味が湧けば、紹介する作品を調べながら読んでいただけると私の感動が伝わりやすいと思います。

第1章 初期作品

このセクションの見どころは、屏風の「葉桜」だと思います。迫力がある葉桜が大きく堂々と描かれており、葉桜の下によく見れば蛇がいる、というような構造の作品です。そんな蛇のさりげなさが私は好きでした。華楊は写生を重んじる作家であり、この蛇を描くために、実際に手ぬぐいで蛇を捕まえてきたそうです。

私が個人的に好きだった作品は「鹿」です。これは、4頭の座る鹿が描かれているもので、鹿の表情が柔らかく、姿勢もリラックスしているようで、全体的に優しい雰囲気がありました。

第2章 系譜 ー 師・五雲から華楊へ

このセクションは華楊の師、西村五雲が華楊に与えた影響を、西村五雲の作品「園裡即興」も混ぜながら伝える展示です。遠くからでもはっきりとボルゾイだとわかる「洋犬図」は、当時の日本ではほとんど飼われていなかったボルゾイをリアルに描いていて、ボルゾイの神秘的な雰囲気を捉えたとても美しい作品だと感じました。

このセクションに展示されていた南方スケッチも素敵でした。丁寧に色付けされた大きな絵画も素敵ですが、私は描いた線一本一本を見ることができる鉛筆で描いただけのスケッチもとても好きです。スケッチはどこに注目しているのかが際立つ気がします。この南方スケッチは動物がメインで、華楊の動物への思いが伝わりました。

コラム1 憩う動物 ー 「かわいい」の理由

華楊の「かわいい動物画」を集めたセクションです。やはり幼い動物はかわいいので、幼少期の動物を描いた作品が多かったです。私は雪に囲まれたウサギを描いた「待春」が好きで、特に可愛らしいと感じました。

第3章 探究 ー 植物表現の生命力

華楊は動物画で有名ですが、植物も多く描いており、このセクションは華楊が描く植物に焦点を当てたセクションです。華やかな色合いの花や鮮やかな緑が映えるセクションでした。と言っても「青柿」の黒猫のように動物が混じっているものもありました。

コラム2 ちいさな仕事 ー 下絵やスケッチとともに

このセクションには動物スケッチが壁いっぱいに貼られているところがあり、先ほど述べたようにスケッチが好きな私は大喜びで一つ一つのスケッチを眺めていました。華楊の有名な大作のためのスケッチもところどころ見つけました。[鳥]という題名で展示されていたカラスの墨絵も私はとても好きでした。

第4章 大成 ー 「偉大なる動物画家」として

このセクションが、華楊の代表的な作品たちが多く展示されているところです。「山口華楊展」のポスターなどに見られる「幻化」もこのセクションにあります。「幻化」は華楊が80歳の時に描いた作品であり、細部まで丁寧に描かれた繊細な植物の中に神聖な雰囲気の狐が2匹描かれています。静かな迫力があってとても綺麗でした。

鋭い目が特徴的な「黒豹」や、ゆったりと寝転ぶ「虎」も素敵でした。カラスが集う様子が描かれている「霽」と、大きな樹の根本とこちらを振り向くミミズクが描かれている「木精」もとても好きです。

最後に、ゴッホのひまわりの一作品のみが展示されている収蔵品コーナーがありました。華楊の日本画に目が慣れてきたところで油絵を見ると、表面の質感が際立って見えて面白かったです。

感想 まとめ

親しみやすいような動物、神秘的な動物、迫力がある動物など様々な動物画がありましたが、全体的に表情が優しいものが多く、華楊は優しい動物を描くなと感じていました。写生を重んじていただけあって、動物の体の動き方などもよく観察されており、とてもリアルで違和感のない動物たちでした。単なる被写体として見ていただけではなく、華楊が動物を本当に大切に思っていたことがよく伝わります。この展覧会に行く前は山口華楊のことをよく知っていたわけではなかったのですが、行って実物の作品を見たことでとても好きになりました。行ってよかったです。

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